ムショ上がり風の侵入者。

イギリスのフラット、もうやだ!!!


以前から度々行われるフラットのインスペクション(その1その2その3)や、近隣住民の謎の行動(その1その2その3その4その5)などで、多大な被害を被ってきたぽろちと配偶者。平穏で静かな毎日を望んでいるにも関わらず、自宅周辺で何かと心をざわつかせる出来事に多々遭遇しているため、安寧の地である自宅よりも外出している方が安全ではないのか…と思うようになった。そのため、生粋の自宅警備員として生きているぽろちは、最近では重い腰を上げて「毎日必ず最低でも1万歩歩く」という目標を掲げ、目的も宛も無く、ただひたすら近所やエディンバラの中心地を徘徊する毎日である。

そんなある日。いつものように配偶者を仕事へ送りだしたぽろちは、家事などの一通りの仕事を終えた後、ネット活動に勤しんでいた。タオルケットに包まり、ソファの上でゴロゴロしながら至福の時間を過ごしていると、突然インターホンが鳴った。2回も。

もしかしたら間違って誰かインターホンを押したのかもしれないし、宅急便が届く予定もないし、インターホンが鳴る心当たりがなかったため、当然無視。居留守を使い慣れているエキスパートなぽろちは、気配を消して時間をやり過ごすことにした。インターホンはフラットの入り口にあるので、ぽろちが気配を消そうと消すまいと訪問者には一切ぽろちの消息はわからないのだが、インターホンにナーバスなぽろちは些細なことにでも敏感だった。

するとすぐに階段を駆け上がってくる音が聞こえ、ぽろちの玄関ドアをノックする音が聞こえた。これは、ガチの訪問者だ。気配を消していたぽろちは更に気配を消して、訪問者が去っていくのを緊張しながら待った。途中、郵便受けから覗かれている気配がし、腹立たしさと気持ち悪さで心が荒ぶったが、ひたすら我慢した。意識を玄関ドアに集中させながら、ところで何故インターホンに応じていないのに、訪問者はフラットに入れてぽろちの自宅前まで来れたのかな…と考えていた矢先、ガチャガチャとドアを開ける音が聞こえ、人が家の中に入って来たのだ。

マジかよ。

ぽろち、恐怖で呆然。配偶者が帰って来たのなら問題ないのだが、そんなはずはない。他人が鍵を開けて家に入って来たという怖さは、何と表現していいのかわからないのだが、とにかくぽろちは身動きできなかった。それでもなけなしの勇気を振り絞って、そっと玄関を覗くと、ムショ上がりのようなスキンヘッドに強面の男性が、いた。彼は唖然としているぽろちに気付くと、「ハロー。修理に来たんだけど」と言った。状況が読めず呆然と立ちすくむしかないぽろちに、彼は慌てたように「連絡もらってない?今日修理だから」と言い、靴を脱いで勝手知ったようにバスルームへ入って作業に取りかかった。

そういえば2ヶ月程前にインスペクションがあった際、「今度バスルームの壁を直しましょう」という話はあったものの、それきりで具体的な日程を聞いていなかった。ぽろちは震えながら配偶者に電話した。当然配偶者も、修理が今日行われることは知らなく、不動産屋から修理についての連絡を受け取ってないという。怒りの配偶者はすぐさま不動産屋に「こういうことがあって、怖い思いをした。きちんと連絡して欲しい。あなた達にはとても失望した」というクレームを送ったが、もちろん心はざわついたままですっきりしない。

バスルームを占拠されたためトイレに行けず、2時間程我慢していたぽろち。ようやく修理が終わったものの、ムショ上がり風の強面の男性は、ぽろちの許可を得ずトイレを使用して帰って行った。トイレに敏感なぽろちは、他人が勝手にトイレを使用したことで、また心に深い傷を負った。泣いた。

翌日不動産屋からは、非を認め、謝罪のメールが届いた。ムショ上がりの男性が家に入れたのは、ぽろちと配偶者宅に来る前に不動産屋に寄って、鍵を受け取っていたからだった。「あなた方の恐怖は、とても理解できるし、本当に怖かったと思う。とても申し訳ないことをした」といった謝罪メールがきたものの、こうやって誰でも簡単に入れるシステムはいかがなものかと思う。イギリス人は、他人が家に入れる環境を、何とも思わないのだろうか。

この件によって、ぽろちと配偶者は賃貸ではなく家を購入することを本気で話合うのであった。

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