壁を伝うおなら。イギリスのフラット事情。

実家が一軒家であったぽろちは考えた事もなかったが、フラットに住み始めて以来、生活音が何かと気になるようになった。集合住宅とは無縁だったため、周囲を気にすることなく音楽を流したり踊ったりやジャンプしたりしていたが、現在はそれができない。4階のためジャンプなどすると下の階に響くだろうし、本当は掃除や料理中にガンガン音楽を流して作業したいところなのだが、仮にクレームでもされたら一瞬で心が砕けてしまい再起不能になるので、音を出さないよう配慮しながらぽろちは静かに生きている。


幸い我がフラットの住民は皆静かに生きたいようで、ご近所さん同士の騒音トラブルなどは全く無い。悪臭はあれど、パーティーなどを催して騒ぎ倒す人もいないし、大音量で音楽を流す人もいない。ごくたまに、下の階でパーティーしてるかな?といった雰囲気が聞こえたりするが、許容範囲。本当に、静かなフラットだと思う。

それがここ最近、寝室に行くと、何故か下の階から頻繁に生活音が聞こえるようになったのだ。今までは特別聞こえるということはなく、聞こえても微かな音だったのだが、何故かここ数週間すごく響いて聞こえてくるのだ。居間やその他の部屋では特に聞こえないのだが、寝室だけ、下の階から異様に話し声や動く音、ドアを開け閉めする音などが聞こえてくる。

当初はあまり気にならなかった。確かに人の話し声が聞こえてくるが不快なものでもないし、日中は寝室では過ごさないため、それ程気に留めるものでもなかった。しかし、それが夜となってくると話は変わってくる。これからいざ眠りにつこうと言う時に、ぼそぼそ話し声が聞こえてくるとかなり耳障りだし、一度気になるとなかなか眠りにつけない。ぼそぼそと一応オブラートに言ってみたが、結構クリアに聞こえてくるし、話している内容も全てではないが所々わかる。家の造りが突然変わったのだろうか…と思う程、この部屋だけ音が鮮明に聞こえてくるようになってしまった。

まあ我慢すればいいか…と思っていた矢先、さすがにまずい、という事件がおきた。

その日の夜中、ぽろちは突然聞こえてきた大きな音で目が覚めた。鈍くこもった音、それでいて妙な高音と時に甲高いそれを持つ音…。そう、おならの音だ。上手く表現できないが、誰もが聞けばわかる豪快なおならがぽろちの耳を一瞬で突き抜けたのだ。当初は配偶者が寝ながらおならをしたのだと思い、かなりイラついた。おならで眠りを妨げられるなんてバカげているが、眠りも覚めてしまい相当ムカついていた。隣で眠る配偶者に文句の1つや2つでも言おうかと思い横を見ると、なんと配偶者は起きてこちらを見ていたのだ。配偶者は配偶者でぽろちが盛大におならをしたと思い、ぽろちに疑惑の目を向けていたが、お互いがシロだとわかった途端、これまたおなららしき音が下の階から聞こえてきたのだ。

「え、ちょ、おなら、下から聞こえてこない?」

下の階からおならの音が聞こえてくるのだ。それも、かなりリアルに。
ぽろちと配偶者は衝撃のおならに大爆笑。話し声ならわかるのだが、まさかおならが壁を突き破って、上の階のぽろちと配偶者宅にまで聞こえてくるとは…。おならの威力はすごい。

破壊的なおならのに笑いまくっていたぽろちと配偶者だったが、一通り笑いが過ぎると今度は恐怖が襲ってきた。今度は下の階から、規則正しいいびきが聞こえてきたのだ。おならでは笑わせてもらったが、いびきとなると話は別。もしかしたら自分たちが寝ている時、下の階にいびきが聞こえているかもしれない。いやもちろんおならもだが、おならは気をつければ自由自在に止めたり制御することができるため、仮におならをしたくなった時は部屋を移動すればいいだけの話だが、いびきは自分ではどうにもできない。

「もうこれからは、いびきかかないようにするね」と神妙な面持ちの配偶者だったが、眠気には勝てず眠りに落ちると、すぐさま盛大ないびきをかき始めた。口を開けて豪快ないびきをかいて寝る配偶者を見て、ぽろちは思う。おそらく下の階でも、配偶者のいびきが話題になっていることだろう。いや、もしかしたら、いびきがおならのように聞こえており、笑われているかもしれない…。


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