覗き魔に天誅!イギリスの郵便受け。

本来自宅とは、快適で落ち着く唯一の空間であり、心休まる安寧の場所であると思っている。最大限のプライベートはもちろんのこと、他人の視線や煩わしさから一切を遮断してくれるし、例え他人が尋ねてきたとしても迎え入れるのも拒否するのも可能。居留守常習犯のぽろちは、常に守られているのだ。そう、カメラ付きインターホンの有能な働きが、ぽろちの日常を平穏なものにしてくれていた…。

しかし、このイギリスにはカメラ付きインターホンがない。もちろん、所有されているお宅もあるかもしれないが、ぽろちの自宅や近隣のフラットでは一度も見かけたことはない。カメラ付きインターホンが当然のように自宅を守っている日本のようには、普及していないのが実情だ。


上記の写真は、一般的なエディンバラのフラットの出入り口だ。エディンバラに越してきた当時、カメラ付きインターホンがないのはおろか、誰でも入れてしまうような不用心なフラット出入り口の構造には、驚愕したと同時に寒気すら走った。日本のような、完全なる玄関フードなんて皆無。もちろんフラットの入り口に郵便ポストはないため、玄関フードで用は足らず、普通に自宅の真ん前まで他人が来るのだ。そう、他人がいとも簡単に容易く入れるシステムなのだ。


一応、このようなインターホン的存在のものはある。番号がふってあるため、来客は該当するフラットの番号を押して要件を伝えればいいのだが、一番下にある「Service」を押せば普通に誰でも入れるので、あまり意味がない。ちなみにこの「Service」は、郵便配達の方が主に使用されているようだ。しかし、それに便乗して謎の勧誘や怪しい輩も使用するため、インターホンを鳴らさずに飄々と自宅前の扉までたどりついてしまうのだ。

まあ、居留守常習犯のぽろちは、例えインターホンが鳴ったとしても心当たりがない来客は一切排除するのだが、何のアクションもなく扉の前にいられるのは気持ちがいいものではない。また、実家の札幌は防寒のため、玄関の入り口に行く前にひとつ手前に扉があるという二重玄関だったため、イギリスの外と中の境目がたった1枚の扉しかないという脆さには、恐怖感というものがある。音漏れしたり気配に気付かれたりして、居留守がバレたらどうすればいいのだろうか…。

そういうわけで、安寧の場所である自宅が、インターホンによって時にざわつく場所になっているのだ。特に日中配偶者が不在の時にインターホンが鳴ると、英語で対応するのが嫌だという気持ちも手伝って、恐怖しかない。それ以上にインターホンを鳴らさずに自宅前に来られると、もう終了だ。幸いぽろちは無になることが得意であるため、今まで数々の困難を必殺技である居留守と気配を消す、で乗り越えてきた。しかしつい先日、事件は起きたのだ。


その容疑者は、イギリスの宅配業者パーセルフォースのとある配達人だ。ぽろちが料理をしながら歌っていたところ、玄関の方で何やら物音が聞こえた。当初は郵便配達の方かな…と思っていたが、それにしては物音が長過ぎるし、まだ気配を感じた。ぽろちは気配消しながら恐る恐る玄関に近づくと、郵便受けが開いており、その中から2つの目が自宅を覗いていたのだ。


幸いぽろちはその視線から死角にいたため気付かれなかったようだが、その視線は長い間、郵便受けからぽろちの自宅を舐め回すように覗いていたのだ。そして数分後、乱暴に不在票を置いていった次第だ。

本当に、気持ちが悪く息が止まるような出来事だった。実はこの事件があるまで、ぽろちは外の郵便受けから、こんなにも自宅が見えるだなんて知らなかった。とりあえず応急処置として郵便受けに布を貼ったが、気持ち悪さは全く拭えない。大急ぎで、このレターボックスを購入した。


残念ながら店舗には置いておらず、予約注文となりまだ手元には来てない。たったこれで安全を買えるとは思っていないが、郵便受けを塞ぐように設置することで少しは対策できるのではないかと思っている。天誅を下してやる!パーセルフォースのあいつ、キモい!


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