なぞの隣人。

世の中には摩訶不思議な事がありふれているが、それはご近所付き合いにも該当していると思われる。ぽろちと配偶者はこれまで様々なご近所さんに遭遇してきた。特にぽろちは「夜逃げ」に縁があるようで、例えば実家の近所のとあるマンションの一室ではそこに入居した家族は必ず夜逃げ。かれこれ5回は遭遇している。また、あるご近所さんは一日中何かに対して怒鳴り散らしていた。配偶者の学生時代のアパートのお隣さんは、ムチの達人のお兄さまだったとか…。出来ればご近所さんには恵まれたいものである。特にこの外国では、切実である。


ぽろちと配偶者は、ここイギリスでは外国人である。郷には郷には従え。ご近所さんや街中で顔を顰められないように、なるべく細心の注意を払って生活しているつもりである。特にご近所ではトラブルなどの万が一のことを考えなければならない。現在の自宅に入居した当時、配偶者はとにかくご近所に失礼がないようにと、ひたすら考えていたそうだ。

そう思いながら引っ越した配偶者だが、引っ越し初日に配偶者の下の階のご夫婦が日本語で話しかけてくれたことで、かなり安心し、根拠はないが平穏な日々を過ごせそうだと確信したらしい。当時日本にいたぽろちはこの話を聞いてかなりほっとしたのだが、ぽろちが渡英し住み始めて以降、安心どころか少々不安を感じているのだ。

ぽろちと配偶者の下の階に住んでいるご夫婦は、ご主人がスコティッシュ、奥様が韓国人のカップルだ。彼らは日本で留学中に知り合い、結婚。なので、日本語はある程度話せるのだ。そういう経緯から親切にも「困った時があったらいつでも聞いて欲しい」と言って下さり、ぽろちと配偶者は不在時に宅急便を受け取って頂いたりなど、お世話になっている。

親切で心優しいご夫婦ではあるが、なんとなくあれ…?と思い始めたのは、去年の夏頃だった。スコットランド独立問題は皆様の記憶に新しいと思われるが、彼らは独立賛成の立場を早々に表明し、自宅の窓に「YES」のシールや旗を設置。窓に「YES」のシールや国旗などを設置して表明するのはここでは珍しいことではないが、3ヶ月近く毎日毎日夜中までYESの謎の集会を繰り広げており、我が家にまで騒音が響く日々。毎日深夜まで続く集会にぽろちは実際に勧誘されたことがあるが、親切な方とはいえ少々怖い気もした。また、毎週末は必ずニラ料理をしているようで、ニラとにんにくのにおいが我が家にまで充満。結構、キツい。年末にダイエットをしていたの配偶者には相当応えたようだ。

ちなみに大きなお世話だが、このご夫婦は出勤している様子がなく、常に自宅にいるようだ。自宅警備員なのか、ただのニートなのかは不明だが、奥様は毎朝8時に洗濯物をかけに庭に出て、夕方4時にご主人が洗濯物を取るという生活スタイル。また、お昼はギターや音楽に合わせて歌声が聞こえてくるかと思いきや、夫婦喧嘩なのか怒鳴り声や物を投げる音が響く。こうしてブログを書いている今も、何かしらの音が聞こえてくるし、本当に何をしているご夫婦なのか…。ぽろちと配偶者は万が一の事も考え、引っ越しも検討している状況だ。

そんなある週末、ぽろちと配偶者は週末恒例の外食を楽しんだ。その帰り道、ストリップバブの前を通ったとき、ある男性がお店から出て来たのだ。こういう事情あるお店だからジロジロ見てはいけない…と思い、ぽろちと配偶者はその男性を見ないようコソコソ素早く通り過ぎようとしたのだが、「あ、配偶者さんとぽろちさん」と当然声をかけられた。え…?と思い恐る恐る振り返ると、なんとニート疑惑のあるご主人がニコニコと立っていたのだ。ぽろちと配偶者が呆然としていると、「僕、今ここで働いているんですよ。妻と」と言われ、「じゃ、仕事なので」と去っていった。

なんというか、衝撃過ぎてぽろちと配偶者はしばらく言葉を失っていたが、まあつまり、ご夫婦を見ると、もういかがわしい想像しかできなくなってしまったぽろち。今度もし引っ越すことがあれば、ご近所さんは普通がいいな、と思う次第である。

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