トイレ、流せよ!

トイレがまた汚された。

(憧れの日本のトイレです)

先日、ぽろちと配偶者の自宅に謎の不法侵入者が突然現れたと思いきや、それは不動産屋さんで、インスペクションと呼ばれる定期的な借家の立ち入り検査を受けた後、トイレを汚されたという洗礼を受けたことをご紹介させていただいた。自宅に赤の他人がずかずか入り、その上これまた赤の他人にトイレを汚された事件は、ぽろちと配偶者の心に深い傷を残した。不法侵入者が帰宅後は念入りに掃除を重ね、何となく寂しく空しい気持ちになった。

インスペクションという何とも面倒なシステムには辟易するが、海外に住む以上受けねばならない義務であることはわかっているつもりだ。本当に虫酸が走るくらい嫌ではあるが、真摯にインスペクションに立ち会ったので、これでしばらくは他人が自宅に入ることはないな、と再び訪れた平和を噛み締めていた。しかし、なんと「先日のインスペクションで判断した結果、壁の修理をしたい」と連絡がきてしまい、再び自宅に赤の他人が来る次第となってしまった。「木曜日と金曜日に修理をするから」とこちらの予定を聞く事もなく一方的に決められ、ぽろちと配偶者は困惑。配偶者が「予定があるので別の日に変更できないか」とやんわり伺ったものの、「家に居なくても大丈夫。鍵持ってるから普通に修理していくし」などと言われてしまった。

いや、何故赤の他人が家主のいない家に勝手に入って家の中を荒らされなければならないのか。我が家は海外といえども土足厳禁で、それは外国人に対しても徹底しているが、ぽろちと配偶者が不在だと靴を脱いだかそうでないかも判断できないし、勝手に家の中を詮索されている可能性があるし、土足の場合床を丁寧に掃除しなければならないし…と問題は山積みだ。本当に不思議に思うが、こちらの方々は不動産屋と言えども勝手に家に入られ勝手にあれこれされることに何も感じないだろうか。結局予定を組み直してぽろちと配偶者は新たな'敵'を迎え撃つ覚悟を決めた。

数日後。飄々と現れた敵はラッパー風の歯がない親父で、靴も脱がない不届き者だった。失礼な言い方ではあるが、彼の容姿はぽろちと配偶者の不安を煽るような風貌で、強いて言うならちょっとラリッてるようだった。そんな不安の中、途中で配偶者は仕事に戻ってしまい、後半はぽろち1人で対応することになってしまったが、大声で歌ったり大声で電話したりしながらも仕事は真面目にしていただいたようで、壁は完璧に直った。「サンキュー」などと言って親父を帰した後、バスルームに入り掃除を兼ねて一通り確認作業に取りかかろうとしたところ、ふとぽろちは異変に気付いた。

「便座が空いてる…」

何故便座が空いているのか。急速に不安と怒りが押し寄せ、恐る恐るトイレに近づきトイレ掃除をしようとすると、流れていない汚物が浮いていた。

この気持ちをなんと表現していいのか、わからない。ただ言えることは、何故他人の旅立ちの手助けをした上に、他人の旅立った物を流す世話をしなければならないのか…。他人の汚物を目の前にして、よくわからない感情がぽろちを支配しており、ひたすら無のまま掃除をするしか他なかった。ありえない。何故流すのを忘れる?流すのを忘れるということがあるのだろうか?普通、即行で抹消したいと思ってすぐ流すと思うのだが、放置する人もいるのだろうか。何も難しいレバーではなく、普通に押せば流れるトイレなのに!!

直ったばかりの壁に怒りの壁ドンをしたくなる衝動を、仕事から帰ってきた配偶者に向けてなんとか押さえつつ、ぽろちは思う。二度と、他人にトイレを貸したくない。心が狭いと思われようとぽろちと配偶者は、自宅のトイレを汚す輩は絶対に、許せない。絶対にだ。

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