ダンスサークルの亀裂。

今年の初めから、出不精なぽろちは一念発起して、ジムの入会に加え、地元のダンスサークルのメンバー入りを果たした。運動神経も底辺、全てにおいて行動がトロいぽろちだが、健康とダイエットのために、身体を動かす決意をしたのだ。

当初、ぽろちは飽き性のため、すぐに逃走して退会するのではないかと配偶者は心配していたが、何故か今現在もほぼ毎日通い継続中だ。自分でも、驚いている。

最近その地元のダンスサークルで、ちょっと困ったことが起きている。

つい先日、ベッキー似のインストラクター（以降、ベッキー）が、喉の調子が悪く、声が全く出ないという理由で、1週間お休みをした。その間、インストラクターを買って出たのは、ベッキーと同じくインストラクターの資格を持っており、グーフィーの彼女のクララベルを彷彿とさせる女性（以降、クララベル）。クララベルは、サークル内でベッキーの右腕といった立ち位置のため、時にベッキーと同じように周囲の指導に当たることもあるが、基本的には一生徒である。

ベッキーは明るく笑顔が絶えない人柄だが、クールなクララベルは、その雰囲気から、少々冷たく素っ気ない印象を受けるため、ぽろちは少し苦手だった。だが別に個人的に会話をしたこともないし、挨拶程度の仲なので、全く問題ない。

困ったこととは、そのクールなクララベルがインストラクターをやるとわかった途端、15名程の参加者がストライキを起こしたのである。

ぽろちは誰がインストラクターだろうと、とりあえず参加して踊れればいいかな…という気持ちだし、全く知らない人ならまだしも、普段一緒に踊っている仲間のクララベルがインストラクターをすることに、何も違和感はない。むしろインストラクター役をやってくれてありがとう、という思いだ。

しかし参加者の中には、「ベッキーがインストラクターじゃないと嫌なの！」と強い反発心を持っている方もいたようだ。「私は出ないわ！」と何故かあえて表明してきた方もいたし、「あなたも出ないわよね？」とわざわざ確認してきた方もいた。ぽろちにも、「あなたはベッキー側につくの？それともクララベル？」と聞いてくる方もいた。返答に困ったぽろちは、「ベッキーの体調が良くなるといいですね…」と下手くそな英語で言って場を白けさせてしまったが、それ以上踏み込まれなかったので良かったと思っている。

通常40人程の参加者がいるのだが、クララベルがインストラクターを務めた日は、結局15人程度しか集まらなかった。ぽろちが気づかないだけで、クララベルとストライキを起こした方々の間で、何か問題があったのかもしれないが、クララベルが気の毒だった。

一週間後ベッキーが復帰したので、これにて一件落着かとおもいきや、また困ったことが起きた。 実はベッキー、体調が悪いと言いながらも、ダンスサークルを休んで、イングランドで開催されたダンスイベントに2日間参加していたことが判明したのだ。

これに、ストライキ組は激怒。ベッキーは脇が甘いのか、Facebook上でタグ付けされたことで、発覚したらしい。まあベッキーにも色々あるんだろうな…とぽろちは思うが、ストライキ組は「喉の調子が悪いから休むって聞いていたのに、イングランドに行ってただなんて！私たちのクラスはどうでもいいの？」と怒り狂っている。

そういうわけで今日もぽろちはFacebookをパトロールし、事の行く末を静かに見守っている。半分は好奇心、半分は自分に被害が及ばないか状況把握のためだ。