漏らしそうになりました。

エディンバラの街中には、至る所にホームレスと思わしき人々がいる。犬とタッグを組んでい座る続けている者、ホームレスが職業だと言わんばかりにホームレス姿が板に付いている者、中には、ホームレスには全く見えない小綺麗な服装の若者までもいる。皆、通りの端っこや大胆にお店の前などに座り込んで、1日中「チェンジ(小銭)、プリーズ」と空の紙コップを見せつけながら、道行く人に催促しているのだ。

(こちらのサイトから写真を頂きました)

今ではそうそう見かけることもなくなったが、かつてぽろちや配偶者が幼い頃、日本の駅や公園には、ホームレスが結構いたように思える。幼いぽろちが家族で東京旅行した時、終電がなくなり閉鎖の準備していた新宿駅には、ホームレスと思わしき人々が続々と集まり、段ボールや新聞で寝床を作って自分の居場所を必死に確保する、非日常な光景に遭遇した。何故家族で終電間際の新宿駅にいたのか意味不明だが、そのあまりに衝撃的な現実は、幼いぽろちには刺激が強すぎたということもあり、恐怖を植え付けられた。それ以来、ホームレスに遭遇すると、つい新宿駅の光景を思い浮かべてしまい、何とも言えない気持ちになってしまう。

エディンバラには、エディンバラの街と一体化するようにホームレスが存在している。当初は、やっぱり怖いなと思ってしまったが、彼らは別に暴力を振るうわけでもないし、強引に金銭を要求するわけでもないし、何か嫌なことをしてくるわけでもない。ホームレスの施設でもあるのか、夜になると一斉に街からいなくなるので、特別怖い思いをしたこともない。それに、こちらの方は日本人以上に慈善精神というものが浸透しているのか、ホームレスに小銭だけでなく、僅かな食べ物や飲み物を渡す方々が結構いる。なので、特別危険な存在でもないのだな、と次第にぽろちと配偶者は、つい警戒心を緩めてしまったのだ。

しかし、この油断が命取りとなる。

つい先日、ぽろちと配偶者はとあるホームレスのおかげで、心に深い傷を負い、震え上がる程怖い思いをしたのだ。

ぽろちと配偶者が買い物しようと街に繰り出した時、事件は起きた。お財布に手持ちのお金がなかったため、お金を下ろそうとATMを探していた時、ATMとATM付近に座る若者ホームレスを見かけた。当初は、このATMはやめて別のATMを探そうと思っていたのだが、このATMで下ろすのが都合が良かったことと、このATMの前には若者ホームレスを気にすることなく3、4人の方が並んでいたこと、ホームレスも並んでいる方に催促する素振りもなかったため、ぽろちと配偶者はこのATMを利用することにしてしまった。

そしてぽろちと配偶者の順番が来た時。鋭い声で「エクスキューズミー!」と聞こえたのだ。まあ聞こえたけれど、まさかぽろちと配偶者は自分たちのことだとは思わず、ATMを続行。しかし、その鋭い「エクスキューズミー!」は何度も何度も聞こえるのだ。次第に「これぽろちと配偶者のことかな?」と思い始めたが、気にせずATMを続行。そして配偶者がカードを差し込もうとした時、「ニーハオ!ニーハオ!」と叫び声。「これ絶対ぽろちと配偶者のことだ…」と嫌な予感もつかの間、突然謎の気配を感じて振り返ると、ATM付近にいた若者ホームレスが怖い顔で背後に立っていたのだ。

ぽろちと配偶者、呆然。反射的にカードは終い、すぐその場を去ろうとしたが、「ノーマネー!ノーマネー!」と激怒した声で叫ばれ、行く手を阻まれた。助けを求めようにも、運が悪い事に誰も通らない。恐怖で漏らしそうになったぽろちと配偶者は、その「ノーマネー!」という叫び声に震えながら小さく、「ノーマネー、トゥー…」などと支離滅裂なことを言ったような気がする。再度の「ノーマネー!」攻撃に対して、パニックと恐怖でパンクしていたぽろちと配偶者は「ノーマネー…」「オンリー£1…(£1しか持っていないと言いたかった)」「ウィーアープア…」などめちゃくちゃな英語を言って、逃走。

基本的にエディンバラでは危ない目には全くと言っていい程あったことはなかったぽろちと配偶者であったが、やはりここは外国、ということを思い出させる出来事であった。


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2 Comment
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物乞いしてるホームレスをスルーすると罪悪感に見舞われますが、かといって何か恵むには躊躇してしまいます、私は。

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そうなんですね。貴重なご意見ありがとうございます。

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