トラップを見極めろ!Cosmo。

前回、そのあまりに悲惨で美味しくないチャイニーズビュッフェの現状に絶望し、思わず「喝!」を入れて、躊躇いなく切り込んだぽろちと配偶者。通常メニューがそれなりに高評価のレストランで、まさかの手抜きビュッフェに出会うとは思わず、かなりのダメージをくらった。許せない。ビュッフェを挽回しようにも、街中に佇むビュッフェの看板を見るだけで味が想像できてしまい、もはや絶望を通り越してただの無の感情でしかない。食にアンテナを張り続けているぽろちと配偶者が、看板を見て無の感情になるとは、由々しき問題なのだ。そんな時、とあるビュッフェレストランのホームページに出会い、折れかけていたアンテナが再び息を吹き返したのだ。そのレストランの名は、COSMO。中華、イタリアン、韓国、そして日本料理を展開する、多国籍ビュッフェだ。

場所は、プリンセスストリートの東端。以前ご紹介したThe Conan Doyleの目と鼻の先に、Omni Centreという映画やレストランなどの複合施設に隣接しています。


今度こそは失望しないビュッフェに出会いたい…!と、一抹の希望を抱いてCOSMOに挑んだ、ぽろちと配偶者。朝食はオレンジジュースのみにして空腹感を促し、気合いを入れるために早めに出発しました。しかし早く出発したのはいいものの、まさかの予約時間の1時間前に到着。これはちょっと早すぎたな…と思い、近隣のショッピングモールで時間を潰そうと思いましたが、なんと強風と大雨の中、お店の前には既に行列が…!


これは一体…?!なかなかエディンバラで行列を見かけないので、ぽろちと配偶者は困惑。そして次第に「開店前からたくさんの人が並んでるってことは、人気でおいしいってことでいい?期待しちゃっていいかな?」と少々興奮。確かに前回のビュッフェでも行列で混雑していましたが、まさか開店前から並んでいる人はおそらくいないはず。これだけの情報でぽろちと配偶者は「かなりレベルが高いビュッフェだな、グフッ」と確信し、雨宿りと開店時間を待つのを兼ねて、前述の複合施設、Omni Centreで待機。2人で作戦を練りつつ、開店時間を待ちます。


そして開店。続々とお客さんが入店していくので、ぽろちと配偶者も素早く入店。ネットで予約していたので、受付で名前を告げスムーズに席に着きます。混雑しているので、予約は必須です。ドリンクをオーダー後、ぽろちと配偶者がビュッフェ会場に足を踏み入れた瞬間、「レッツ挽回☆美味しくなかったビュッフェをリベンジしちゃうよ」戦のゴングが鳴り響きました。


店内はとても広々としており、多くのお客さんを収容可能です。パーティーをしているグループもちらほらいらっしゃったので、大勢でも気兼ねせず来店できるかと思います。早速料理ですが、全体を見渡すと、とても品数が多いです。まず入り口側に、ドリンクサーバーがあります。そして、ブリティッシュ、イタリアン、韓国料理と並び、センターに日本料理。そして、中華料理、インド料理、デザートというコースになっています。


このレストランの売りは、アジア料理。中でも日本食には力を入れているようですが、ぽろちと配偶者は「別に日本食に力入れてるのはいいけど、日本食もどきでしょ?まあ、頑張ってるのは認めるけど?」と上から見下ろしつつ、まずはお寿司を取ります。


お寿司…といっても、にぎりではなく巻き寿司。この辺のお寿司に対する認識の違いは仕方ありませんが、にぎり寿司が脇役なのは寂しいですね。巻き寿司が5種類に、お刺身は2種類。サーモンとヒラメです。巻き寿司は見た目、「もうこれは試合終了した巻き寿司だな…」という風貌。まず、お米が全然ダメ。ダメダメダメ!


ねちょねちょしており、麗しい米粒が原型をとどめていなく、生気を失われたお米になっていました。しかし何故かお味は普通。お米はさよなら永遠に、という感じですが、お味は許容範囲でした。意味不明です。お刺身の味は、察して下してください。ダメでした。お刺身にため息をついていたぽろちの傍ら、配偶者は韓国風ソバのトラップにひっかかり大ダメージを受けていたようです。


ちなみに日本食コーナーでかろうじて唯一合格点に食い込んできたのは、日本式餃子でした。その場でスタッフさんが鉄板焼きをしてくれるという憎いサービス。餃子の他にもサーロインステーキやホタテ、イカなどを焼いてもらえます。


 餃子の具が少なかったのが残念でしたが、もう少しで日本のスーパーのお惣菜餃子レベルに達するのではないか?という印象です。日本食もどきはお寿司以外は、鉄板焼きしかなく、品数は少ないので、期待しない方がいいです。寛大な心で、日本食もどきを食べて下さい。


苦笑いで日本食を終えたぽろちと配偶者は、ブリティッシュやイタリアンコーナーへ。ブリティッシュやイタリアンは、可もなく不可もなくといったところ。印象に残ったお料理はありません。しかし残念な点は、ピザです。釜で焼いているというパフォーマンスがあるにも関わらず、完全に冷凍ピザのお味でした。もう一度言います、冷凍ピザです。これは、「本当は冷凍ピザだけど作ってる感だしてるよ」的なカモフラージュなのでしょうか。ぽろちと配偶者の目を欺くとは、あっぱれです。


よくわからないまま、口直しのために中華料理コーナーで炒飯を取りましたが、これがぽろちと配偶者の絶望の入り口でした。炒飯がダメです。全然ダメです。ダメダメダメ!中華料理は種類が豊富でお味もそれなり。しかし、炒飯が底辺。これは炒飯ではありません。まずは、お米がダメです。あの、バスマティーライスです。炒飯にバスマティーライスを使用するとは、炒飯を語る資格がありません。この炒飯は顔を洗って出直すべきですね。


デザートは一瞬、チョコレートフォンデュや色とりどりのケーキ、ムースなどに目を奪われてしまいそうになりますが、騙されてはいけません。アイスは水っぽく安さが詰まった哀れな味。柔らかさが命のムースは、硬くなり既に死を迎えておりました。"アップルパイがなんかしょっぱい…"と再び罠にはまる配偶者。強いて言えば、クリームブリュレがかろうじて合格ラインに食い込んできたという感じ。とりあえず、デザートも修行を積むべきです。


今回のCosmoは、エディンバラ市内ではおそらくトップクラスのビュッフェだと思います。店内は広く、お料理の回転も早いし、品数豊富。魅せ方も工夫があり大変きらびやかでビュッフェ特有の、わくわくする高揚感も味わえます。しかし、何かが足りないのです。臭い物に蓋をしているような、向上心と修行した結果を感じさせない、ただ流行に乗ってとりあえずのし上がっちゃった感がぷんぷんします。£16という安価なお値段でこれだけのクオリティーなら納得なのですが、イギリス国内だからこそやっていけるビュッフェであって、食に肥えている日本人の舌にはかすりもしない、また数々の地雷に気をつけなければならないビュッフェでした。


こうして無惨にも、ぽろちと配偶者の「レッツ挽回☆美味しくなかったビュッフェをリベンジしちゃうよ」は終了したわけだが、これに懲りずに地道な活動を続けるべく、2人は次のレストラン巡りの旅に出発したのだった。俺たちのレストラン開拓は、まだまだ終わらない。

★★☆☆☆(2/5)

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