プライドに囚われるな!イギリススーパーマーケット。

「あれ?BGMもポイントカードの歌もかかってない…」


初めてエディンバラのとあるスーパーマーケットに来店した時、日本のスーパーのように、賑やかなBGMもポイントカードの歌もお得商品を教えてくれるアナウンスもなく、冷蔵庫の音や顧客の足音だけが無機質にこだまする店内に、ぽろちはひどく衝撃を受けた。てっきり日本以上に購買意欲を高めてくれるであろう賑やかなBGMがビートを刻んでいると期待していたが、あまりに静かな店内に拍子抜けしたと同時に、かなり寂しい気持ちになったことを覚えている。

ぽろちはイギリスに対してこれといった羨望や憧憬といった気持ちは特になく、渡英が決まった時、「イギリス?よくわかんないけど、とりあえずイギリスに行けば日本よりも気軽にポテト食べれるんですか?」くらいにしか思っていなかった。渡英直前はさすがにそんな暢気な気持ちではいられず、あれこれ不安が押し寄せイギリスからのエスケープも考えたが、唯一「イギリスのスーパー楽しそう」という楽しみがあった。既にコストコで体験済みだが、大きなカートに業務用サイズの商品をあれこれいれるということが日常的にできるのだと思うと、イギリスからのエスケープも思いとどまることができた。

ぽろちと配偶者は感じたことはないが、階級社会が今も尚色濃く残るイギリスでは、利用するスーパーが階級クラスによって違うそうだ。つまり、スーパーにもランクがあり、上流階級は高級スーパー、労働者階級は低級スーパーを、それぞれ利用するということらしい。スコティッシュの知人によると、「とにかく自分よりも格下のスーパーには行かない。安価でも自分より格下だから行かない。お値段が張らない商品ならば格上のスーパーに行く」を徹底しているそうだ。

正直、スーパーが格下だの、スーパーの階級だの、と語る以前に、売り物の卵が割れていたりパッケージが破れていても平気で陳列したり、会計前なのに平気で商品を飲食することを直すことが先だろう…と思うが、とにかく彼らにとってはモラルよりも階級が大事とのことだ。

そんなモラルよりも格下格上といったモラルを大事にする彼らにとっての「高級スーパー」と言えば、百貨店ジョンルイスの傘下で食品部門、いわゆるデパ地下の役割を果たす、英国王室御用達のスーパー「Waitrose(ウェイトローズ)」である。


外国人のぽろちにとって格上か格下か、ということはわからないが、確かに他のスーパーよりも客層が比較的落ち着いており、商品もそれなりに良く、やや値段は高めのように見受けられる。そしてウェイトローズには敵わないものの、比較的高級志向と呼ばれる、M&Sこと「Marks&Spencer(マークス&スペンサー)」である。


こちらも高級志向と名乗るだけあり、商品や雰囲気はそれなりによい。また、M&Sはほぼ自社ブランドのみを提供しており、例えば「日清のインスタントラーメンが食べたい」と思った時、日本だと普通にスーパーに行けば購入できるが、M&Sには日清のインスタントラーメンは置いてなく「M&Sのインスタントラーメン」しか置いていない。それが少々面残念だな…とは思うが、あえて自社ブランドにこだわる心意気を評価したい。


続いて、中流階級をターゲットとしているセインズベリー。品揃えも多く、比較的利用しやすいが、商品は当たり外れが多く、陳列している野菜や果物は時折食べられない程潰れていたり色が変わっているものもある。卵に毛がついていることもあるので、注意だ。


テスコもセインズベリーをほぼ同じレベルのような気がする。ぽろちはテスコデリバリーは利用しており、実際にテスコスーパーで購入した事がないので何とも言えないが、陳列やスタッフの態度を見ると、ずさんな箇所が見受けられるなと感じる。ただ、比較的安価なので、利用しやすいかと思われる。

以上、メジャーなイギリスのスーパーをご紹介させていただいたが、外国人のぽろちと配偶者には、階級だの格上だの格下だの、と言われても、さっぱりわからない。お国事情、と言われてしまえばそれまでだが、階級云々の前にやはりまずは色が変わったり潰れている野菜や果物を平気で陳列しない、なぜ開封され粉が吹き出ている…?といった商品を置かない、賞味期限切れた商品は排除するだの、基本中の基本から見直すべきではないだろうか。そういった残念で哀れな商品を見る度に、悲しくなりぽろちと配偶者は思う。日本のスーパーに適うものはなし。

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