世にも奇妙なソーセージ

イギリスのまずいソーセージが、爆発した。

 幸い、これまで命の危険に遭遇したことはないのだが、冒頭のイギリスのまずいソーセージが調理中に爆発したことにより、ぽろちは初めて命の危険を感じた。何故ソーセージが爆発?とお思いの方は多いと思われるが、このイギリスのまずいソーセージ、本来はあらかじめフォークで刺して穴を開けて調理するらしい。しかし、そんなことは知らず、普通にフライパンで焼いていたら、ソーセージが恐ろしい音で爆発したと同時に中身が飛び散ったのだ。その時、ぽろちは本当に生命の危機を感じ、震え上がったのを今でも覚えている。


このソーセージ、まずいってもんじゃない。とにかくゲロマズだ。何がまずいって、もう全部。ソーセージ特有のパリッとした食感は皆無、人を馬鹿にしたような常にぐにゃ〜んとやる気のない容姿、それでいてパンパンに膨れ上がった見事な肥満体系。まるで、怠けて1日引きこもっているニートのようだ。


何故こんな残念極まりない哀れなソーセージが市場を占拠しているのか甚だ疑問だが、当初はそのようなソーセージが蔓延っているとは露知らず、ぽろちは大好きなソーセージをスーパーで購入した。パッケージに93%などの中途半端な表示が記載されていることに多少の戸惑いは感じたが、まあ、「私たちは常に100%の味を提供しているけど、あえて93%にしてるの。なぜかって?だってあなたが食べて、ようやくこのソーセージは100%になれるのよ。だから7%は消費者に委ねているの」と企業からの熱いメッセージぐらいにしか思っていなかった。


しかしそれが、全然熱いメッセージではなかったのだ。そもそもイギリスのソーセージは他国のそれとは全く違う物で、独自のメソッドで作り上げている。その独自のメソッドやらについてはよくわからないが、謎のメソッド・ソーセージには小麦粉が含まれており、それを香草やスパイスと一緒にお肉と混ぜるそうだ。また時には、パン粉や動物の脂肪もその混ぜ物に加わる時もあるとのこと。これが謎のメソッドで作られる、イギリスのソーセージだ。ソーセージに小麦粉等を混ぜるようになった理由は、戦時中、食糧難で肉の入手が困難になった時に、ミンチにした肉に小麦粉等を混ぜてソーセージを作ったことが始まりのようだが、何故戦時中ではない現在でも、ソーセージのスタメンとして幅を利かせているのだろうか…。


お分かりいただけるだろうか、肉100%ではないソーセージがこの国ではソーセージなのだ。考えられるだろうか、調理次第では爆発するソーセージがこの国ではソーセージなのだ。信じられるだろうか、肉含有率半分程度のソーセージが普通にホットドッグとして登場したり、炒め物に使用されていたりするのだ。

そんなわけで、ソーセージ爆発事件で懲りたぽろちは、もう二度とイギリスのソーセージを購入しないと心に決めた。しかし、やはりソーセージが食べたい。そこで配偶者にぽろちのソーセージへの熱い想いを打ち明け、世界のどこかにあると言われている美味しいソーセージ達が舞い踊るユートピアを探す旅に出る事にしたのだ。次回は、我々が発見したそのユートピアについてお伝えしたいと思う。

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